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物流達人

飯村 雄一

(株)日通総合研究所
経済研究部担当部長
飯村 雄一

第14回目のコラム 2009.5.26

商店街の荷捌き駐車対策 ~ 札幌市の事例から ~ | 飯村 雄一

 既存の市街地における商店街やオフィス街では、商店や建物に付随した駐車施設が十分備わってはいない。そのため、殆どトラックを路上に駐停車させて、商品の取卸しや積込みが行われている。貨物車両の駐停車は言うまでもなく交通渋滞を招くとともに、歩行者の円滑な通行を妨げる。おまけに停車中の車両のアイドリングによるCO2排出もあって近隣住民の環境に悪影響を与えることになる。このように荷捌きのための路上駐車が多い商店街やオフィス街では、荷捌きする車両の駐車対策で頭を悩ませているところが多い。
 札幌市の中心部でも荷捌車両の駐車問題が街づくりの中で大きな課題となっていたが、平成18年から荷捌き駐車が多いゾーンに、貨物車両については20分以内の駐車禁止解除区間を設置した。その結果、その区間にその時間内に駐車しても駐車違反とはならず、荷捌きを行うことができるようになった。商店街やオフィス街にこうした駐車禁止解除区間を設置して貨物車両の荷捌対策を行っているのは、今のところ全国で札幌市だけである。

1.駐車禁止解除区間設置の経緯

 札幌市では平成18年6月から民間駐車監視員制度が導入され、放置車両の確認作業が行われ始めた。この制度が導入される際(社)北海道トラック協会は、北海道警察や関係機関に対し、集配業務中のトラックの取締まり除外を陳情要望し、該当地区の商店街、町内会への説明、協力依頼等を行った。その結果、札幌市中心部の22箇所の道路に、7時から19時まで、20分以内のトラック両駐車禁止解除区間が設置されることになった。

2.駐車禁止解除区間での荷捌きのルール

 20分以内の駐車禁止解除区間の入り口には、トラック等貨物車両であれば7時~19時までなら20分以内の路上駐車ができる旨の道路標識が設置され、荷捌きのルールも定められている。次図等参照。

【利用する際のルール】
(1)できるだけ短時間の駐車とすること(交通規制では20分が限度)。
(2)駐車場の出入りなど、沿道に迷惑となる場所には駐車しないこと。
(3)集配中は「荷さばきルールを守ろう宣言カード」をダッシュボードに掲示すること。

「荷さばきルールを守ろう宣言カード」(見本)

3.駐車禁止解除区間が設置された道路の写真等

 写真は、札幌市すすき野地区で、駐車禁止解除区間が設置された道路標識、駐車状況である。駐車禁止解除区間は、交通量の多い道路は避けて、すすき野地区でも交通量が少ない道路に大半が設置されている。



7~19時まで20分以内の解除区間が設置
道路入り口左側の標識された道路


道路入り口左側の標識


道路の右側に駐車する車両


道路右側の入り口の標識

4.効果、問題点など

  駐車禁止解除区間が設置されてからは貨物車両の路上駐車が減少し、以前より街がすっきりした。しかしこの区間を利用するドライバーからは、駐車禁止解除区間が荷捌きを行う店舗から離れていて利用しにくい、乗用車が駐車していてトラックが利用できないことがある、などの意見も出ている。このため(社)北海道トラック協会では、駐停車禁止解除区間を適正に利用してもらうように、時々パトロールを行っている。一定の期間後に利用者が感じている問題点やニーズを把握して、さらに利用しやすいものにし、街を一層すっきりさせるものにしていく必要がありそうだ。
 この方式が、今後全国展開していくことは望ましいところ。しかし、それぞれの商店街ごとに交通量や道路の幅員事情が多種多様なこと、また利害関係の調整等の問題もあり、警察―商店街―運送業者―自治会間の合意形成が容易に得られるかというとなかなか難しいようである。例えば、吉祥寺の商店街付近は交通量が多い、裏通りは狭いなど、駐車禁止解除区間を設置できるような道路はないのが実情である。そのようなこともあって吉祥寺では荷捌き駐車の問題をまちづくりの一環として捉え、武蔵野市、警察、商店街、運送事業者などで協議会を作って、具体的な方策を検討しているところである。

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