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物流達人

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ニチユMHI東京(株)
サービス部
小関 勇

第16回目のコラム 2009.12.25

トラック・フォークリフト作業の安全教育の事例
 こうしてトラック・フォーク災害の防止に努力している。
 ―ある運送事業者の事例から― | 小関 勇

トラックによる交通事故の死者は毎年漸減しているものの、まだまだ安全対策の課題は多い。またフォークリフトによる死亡災害も全国で毎年40~45人位で推移しているが、この災害も通常の交通事故と同じく、社会的に問題視される災害・事故となっている。
 フォークリフトが稼動しているのは工場や物流センター等、生産・流通・物流等の現場である。当然ながらフォークリフトの災害の多くが、こうした現場で発生している。
 物流センターで起きたフォークリフトによる事故は、人、建物、荷物等に損傷を与えるばかりでなく、荷主の信頼を損なうことになり、災害を起した当事会社にとって事業を遂行する上で大きな障害となる。トラックの交通事故とて同じで、災害・事故の発生は当然会社の信頼を損なわせる。一度失った信頼を回復させるには長く時間がかかり、世間のその会社のコンプライアンスを見る目も厳しく、大きなマイナス要因である。多くの運送事業者ではこうしたことが起きないように、災害・事故防止に向けて、日々社員に安全教育を行っている。
 それでは、主として建材や化学工業品の仕分、保管、流通加工を行っているある運送事業者のフォークリフト及びトラックの安全教育事例を紹介する。
 全国でもよく知られているこの運送事業者。そのある物流センターでは、かつてフォークリフトによる重大災害の経験もあったことから、まず社内に安全に係る組織を設け、それを基にフォークリフトに加えてトラックの安全教育を施し、無事故、無災害に努めている。

● 安全維持組織体制図と特徴

ある運送事業者の安全維持組織体制



図のとおり、社長の指揮・命令が役員、部支店長、営業所長・安全管理者等を介して行われる流れと、社長から直接、運行管理者、整備管理者に指揮・命令が下される流れ(太線)がある。後者の流れは、緊急時の対応ともうひとつの流れの指揮・命令についての確認が取れるようになっていることが特徴である。
 例えば、この安全維持組織体制図の機能は次のとおりである。
 翌年度のフォークの安全教育の実施計画を決めていく場合、年度末に、現場で教育内容と事故削減目標をまず決める。その後上位の担当に上申して承認され決定される仕組みになっている。
 フォークリフト関係の教育内容としては、安全意識の教育を重点的に取り上げるのは当然だが、荷主が取り扱う商品の内容は多頻度に変化するので、その商品知識の教育にも力を入れている。
 因みに、下の表は少し古いデータであるが、同社の人身に係る内容(重大事故)と交通事故の目標と実績を示したものである。毎年徐々にではあるが交通事故が減っていることが分かる。



最近実施した安全講習では、フォークリフトによる品質事故の削減を目的として行い、
その目標は前年実績の▲30%を目標に掲げている。

● 教育辞令

 現在実施している通常の教育は、OJT教育を主体として、現場に即した教育を実施し効果を上げている。例としてフォークリフトの運転技能、始業点検のやり方、災害の事例研究、フォークリフトに関するテスト等を実施している。
その中の一例を次に紹介する。
それは「フォークリフトとトラック(トレーラ)の死角」についてで、その項目内容は以下のとおりになっている。
 1.教育の対象者
  ① 一般倉庫内作業者全員(歩行者として)
  ② フォークリフトオペレータ
  ③ トラック(トレーラ)ドライバー
 2.教育の内容
  ① フォークリフトオペレータから見る死角
    実際に倉庫作業者及びトラック(トレーラ)ドライバーがフォークリフトの運転席に座って、実際にどの部分にどの位の死角があるか確認する。
    荷物積載時のフォークリフトオペレータの視線は何処においているか?
    (実際には積荷に視線が注がれている)
    (空荷の時、荷を積載した時等を確認) 図添参照
  ② トラック(トレーラ)から見る死角
    実際にフォークリフトのオペレータと倉庫作業者にトラックの運転席座ってもらってバックミラーからの確認できる範囲と死角について確認する。
  ③ 対象者の研修結果と教育の意見・感想レポートの提出

● まとめ    

この物流センターの教育のポイントは、フォークリフトとトラック(トレーラ)で、フォークリフトのオペレータはトラック(トレーラ)の死角を、トラック(トレーラ)のドライバーはフォークリフトの死角を確認し合うことによって安全な作業を行うことが出来る。この教育には、倉庫作業員も参加する。 このように作業員、フォークオペレータ、トラックドライバー等が、災害発生につながる要素を共有することによって、今までになかった注意力が養われるようになる。今回物流センター内での車両同士の死角を認識すること、お互い思いやりのある運転をすることによって、無災害日数を増やすことになる。この安全教育のように、机上での講習会ではなく体で覚えて実行することが極めて重要である。 昨今、高速道路代が休日1000円となり、運転未熟な方もベテランの方も自動車に乗る機会が増え事故の確率が高くなることが懸念されている。もし物流センターと同様な教育ができるならば、事故の少ない高速道路、さらに交通事故の少ない社会が実現されるだろう。

ニチユMHI東京(株)
サービス部  小関

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